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2020/11/12

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認知症でも資産運用 三井住友信託、発症前の意思従い

2020/11/11 0:30日本経済新聞 電子版

三井住友信託銀行は認知症になっても資産運用ができるサービスを始める。現状、認知症が発症すると本人の意思で資産構成を変えたり、取り崩したりすることはできないが、月内にも発症前の意思に基づいて運用し、定期的に取り崩して使えるようにする。

認知症を発症しても資産を運用できる「安心サポート信託」の提供を11月中にも始める。まずは首都圏の一部店舗で営業を始め、徐々に取り扱う店舗を広げる。こうしたサービスを手掛けるのは業界で初めてという。

顧客から預かった資産を銀行が一任して運用する「ファンドラップ」を使う。顧客は認知症を発症する前に、三井住友信託と信託契約を締結。同行は顧客の目指す利回りやリスクの許容度に応じて資産を運用する。

認知症の発症後は、発症前の本人の意思に基づいて運用する。発症や特定の年齢に達した段階でリスクを抑えた運用に切り替えることなどが想定される。

発症後の引き出しが容易になるのも特徴。銀行によっては現状、親族や成年後見人などの同意がないと預金の引き出しができず、病院の治療費や介護施設の入居費の支払いに支障を来すケースがある。三井住友信託は社団法人と連携することで、認知症発症後も柔軟に資産を取り崩せるようにする。

内閣府などによると、2012年に462万人だった認知症患者は40年に800万人超まで増える見通し。長寿化でリタイア後も資産形成の重要性は高まっており、新サービスの投入で新たな顧客ニーズの取り込みを図る。