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類型変更と監督人の任務終了
監督人の任務の終了原因は、本人が亡くなるか、監督人が辞任するかどちらかが一般的だと思います。
私が保佐監督人をしていた案件で、保佐から後見に類型変更し、監督人の任務が終了した案件がありました。
ちょっとめずらしい案件でしたので、経緯をご紹介します。
①保佐人から本人の判断能力の低下について相談があり、保佐⇒後見の類型変更を検討することにしました。
②保佐人が本人の診断書を医師に作成してもらいます。 診断書は通常の後見等開始の申立てと同じ書式です。
③診断書に「支援を受けても,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない。」にチェックがあることを確認します。
④監督人から家庭裁判所の担当書記官に電話し、類型変更を検討していることを事前に相談します。
⑤保佐人に「後見開始等申立書」を作成してもらいます。通常の後見開始等申立てと同じ書式です。
家庭裁判所に確認したところ、郵券や印紙も通常の申立てと同じとのことでした。
⑥監督人の意見書を作成します。
本人や保佐人と面談し、本人の状況、本人と保佐人の関係、保佐人の今までの執務状況等について監督人の意見を記載しました。
⑦監督人から②の診断書、⑤の後見開始等申立書・郵券・印紙、⑥の意見書を家庭裁判所に提出します。
本件は保佐人がそのまま後見人の候補者になるので、他の書類は不要でした。
⑧約10日で後見開始の審判書が保佐人・監督人に届きました。
本人の財産状況、保佐人の執務の状況等から監督人がつかない後見という形になりました。
⑨約2ヵ月以内に終了報告と初回報告を兼ねた財産目録と年間収支予定表を後見人(旧保佐人)が作成し、旧監督人がチェックして裁判所に提出します。 その際、旧保佐人・旧監督人の最後の報酬付与申立てをします。
本人の死亡や監督人の辞任によらずに監督人の任務が終了したちょっとめずらしい案件でしたので、ご紹介しました。