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2020/05/17

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認知症になりにくいまち」は存在する

 

暮らしているだけで健康になれるまちづくりの在り方とは-一部抜粋

下部 純子=日経BP 総合研究所 ライター

2020.2.17

JAGES機構は健康長寿社会を目指した予防政策の科学的な基盤づくりを目的とした研究で、2016~2017年度には全国の41の市町村と共同で約30万人の高齢者を対象にした調査を実施し20万人から回答を得ています。こうしたJAGESのデータから予防政策のエビデンスが生まれ、まちづくりの分野でも活用されています。

サロンがまちにあることで高齢者が活動的になって仲間もでき、自然と介護予防ができる暮らしになるのですね。

実際、サロンの参加者に「参加して何が変わったか」というアンケートを取ってみると、「健康意識が高まった」「人との交流が増えた」「気持ちが明るくなった」「将来の楽しみが増えた」という回答がありました。中でも、特筆できるのは「幸せを感じるようになった」が実に8割を占めたこと。健康に無関心な人も幸せにはなりたいから、サロンには参加する。つまりこの施策は、健康に無関心な人たちを集めることにも成功したのです。

都市でなくても、東浦町のようなまちを意図的につくれば、よく歩いて認知症リスクが下がるのです。注目されているコンパクトシティでは、皆が歩いて健康になり、かつ車が減って地球に優しくなる──。こうした将来のまちの在り方の手がかりとなる、東浦町を発見できたのも、データを集めて見える化したからこそなんです。