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知的障害者の親らでつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」(東京)が大手保険会社と協力し、障害者やその親が病気などで働けなくなった際の所得などを補償する団体保険の販売を始めた。障害者本人らを対象にした所得補償保険は国内初で、将来の経済的不安を解消するのが狙い。
育成会は、47都道府県と8政令指定都市に組織があり、知的障害者の親ら10万人以上が会員になっている。
保険に加入できるのは、会員か、家計を支えるその家族ら。さまざまなプランがあり、30代男性で月に約2千円から約2600円の保険料を支払う場合、病気やけがで働けなくなった際に、上限20万円で給与の6割を最長65歳まで受け取れる。亡くなった場合は、300万円を限度に葬祭費用と成年後見制度の手続き費用、法律相談費用が補償される。
重度の知的障害がある兄を持つ大津市の会社員の女性(42)は加入を検討しており「両親も高齢のため、将来は私が兄の生活を守らなければいけない。保険は大きな安心になる」と話す。
連合会によると、知的障害者の親からはこれまで「自分たちにもしものことがあったら、子はどうなってしまうのか不安」「障害のある子が働き始めたが、通常の所得補償保険に加入するのは難しい。病気などで離職、休職するリスクはあるので心配」といった声が多数寄せられていた。
損害保険ジャパンと日立キャピタル損害保険と連携し、会員のヒアリングを重ね、保険の開発につなげた。問い合わせは連合会電話03・5358・9274。〔共同〕