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毎日新聞2020年4月17日
新型コロナウイルスの流行を受け、ヘルパーを利用して地域で暮らす障害者に危機感が広がっている。ヘルパーの日常的な出入りは感染リスクを高めるためだ。外出自粛などで仕事を休むヘルパーもおり、人手不足も深刻だ。障害者や訪問介護事業所は、生活の維持と感染リスクの低減を両立させようと試行錯誤している。
「介助がなければ生活が成り立たない。今はなんとかやりくりしているが、ぎりぎりだ」。さいたま市桜区で訪問介護事業を手がけるNPO法人「介助派遣システム」の代表、加納友恵さん(44)は懸念を口にした。24時間介助が必要な重度障害者5人にヘルパーを派遣している。3月下旬、ヘルパー1人が発熱した。PCR検査を受けられないまま、休む日が続いた。
ヘルパーは障害者宅で食事や入浴、排せつなどを介助する。互いの距離は密接だ。安心して仕事ができるよう事業所としてマスクをヘルパーに配布しようと考えたが、品薄で入手できずにいる。自身も24時間介助を受ける加納さんは「ヘルパーが安心して働けるよう行政にはしっかり支援してほしい」と訴える。