ニュース・お知らせ

ニュース・お知らせ

DATE
2015/08/17

<< 一覧へ戻る

市民後見ニュース(2)

市民後見人の普及が進まないのは、国と自治体の間の“温度差”が原因!?

研修を受けただけの市民後見人が成年後見の任務を果たせるのか?といった疑問が

「市民後見人」になるための資格はいりません。その代わり、自治体が行う研修を受けたあと、行政の推薦を受け、家庭裁判所の名簿に記載されたうえ、選ばれる必要があります。

現実問題として、行政や社会評議会がバックにないと市民後見人になるのは難しいようです。それもあって「市民後見人は専門知識が少ない、信用できるかどうかわからない」といった声も聞かれます。

しかし、法律に詳しい弁護士だから頼りになる、安心だといい切れるでしょうか。2010~2014年の過去5年の間に、成年後見制度を悪用した、弁護士の着服事件が少なくとも62件起きており、被害総額は約11億2,000万円に上るそうです。

こうした事件の再発防止に向け、東京家裁では「弁護士の推薦を受けた弁護士しか後見人に選任しない」取り組みをスタートさせました。

ボランティア精神だけで市民後見人の仕事をまっとうできるのか?

弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職後見人は、報酬をもらって成年後見の業務にあたっています。東京家裁の例を挙げると、通常の事務の場合、毎月の基本報酬額は2万円。

ただし、管理財産が高額になると管理業務も複雑になるため、1,000万~5,000万円の財産は月額3万~4万円、5,000万円以上の財産は月額5万~6万円と報酬額が高くなります。

一方、市民後見人は社会貢献やボランティア活動としての位置づけです。多少の報酬を支払う自治体もありますが、「無報酬」としているところが大半です。利用者のなかには生活保護を受ける必要性が生じたり、借金の返済、家賃の滞納など、予想以上に大変な仕事が待っている可能性もあります。

つまり、「手弁当で後見活動を行なってもよい」といったボランティア精神がないと務まらないのです。

一人暮らし高齢者の増加は今後ますますの成年後見制度の必要性を示唆

認知症や精神障害の人にとって、生活や財産管理をサポートする「後見制度」はなくてはならない存在!?

「成年後見制度」は2000年4月に施行されました。今年で15年目を迎え、認知度も少しずつ上がってきましたが、「まだ名前しか聞いたことがない」という人のために成年後見制度について簡単に説明しましょう。 「成年後見制度」は「任意後見制度」と「法定後見制度」の2つに大別されます。