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2015/08/09

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認知症介護利用者ら3人から1億余横領か? 元弁護士再逮捕

• 2015-08-04
成年後見人の弁護士として財産管理していた認知症の高齢女性(83)=東京都世田谷区=の銀行口座から預金1,400万円を私的に流用していたとして、警視庁捜査2課は7月22日、東京都千代田区在住で元弁護士の渡部直樹容疑者(48)=業務上横領容疑で7月2日逮捕=について、さらなる業務上横領容疑により再逮捕したことを明らかにした。捜査2課では、渡部容疑者が83歳女性の口座から無断で引き出して一部を着服していたとみている。
同課などによると、渡部容疑者は2008年5月から83歳女性の成年後見人を任意契約により務めており、女性が認知症を患った後も引き続き財産管理を担当していた。再逮捕の直接的な容疑は、弁護士として活動していた昨年1月から9月にかけて、83歳女性の銀行口座から約1,400万円を引き出し横領したというもの。
ちなみに渡部容疑者は、別の認知症女性(96)=東京都北区=の銀行口座からも預金およそ4,200万円を横領したとして、昨年10月に警視庁神田警察署に自首し、今月2日に逮捕立件されていた。渡部容疑者は家庭裁判所からの選任をうけて2011年10月から14年9月まで96歳女性の成年後見人となっており、その間に女性が所有していた不動産を勝手に売却したり預金口座から現金を引き出したりした業務上横領の容疑で逮捕されていた。
このときの自首・逮捕にあたっては、96歳女性が入所していた介護施設の費用が滞り、成年後見人である渡部容疑者とも連絡が取れない状況が続いたため、昨年9月に別弁護士が後見人として新たに選任。これで自身による横領の事実が発覚すると観念した渡部容疑者みずからが昨年10月に弁護士登録を抹消したうえで警視庁神田署に出頭したという経緯もある。
この容疑については今月22日に処分保留となっていたが、その後も余罪について任意捜査が進められていたもので、今回は容疑者供述のなか新たに発覚したもの。今年7月に逮捕された後、今回の83歳女性が入所する介護施設から警視庁に連絡があり、1,000万円以上の預金が無断で引き出されていることが新たに露見。この介護施設によると最後の引き出しは今年6月のことだったという。これにより昨年10月自首後も今年7月に逮捕される直前に至るまで別の認知症高齢女性の預金を標的に着服横領など違法行為を続けていたことが判明したことになる。
渡部容疑者はほかにも都内在住の別の認知症女性(80歳代)の預金についても1,000万円以上を着服したことを認めているということで、合わせて3人の財産1億円以上余について着服を繰り返していた疑いが強まっている。捜査2課では、そのほかの余罪をふくめて裏付け調査を進めていく方針としている。また着服金の使途については、事務所の家賃や借金の返済にあてる一方で、キャバクラなどでの遊興費として一晩100万円を使うなどの豪遊を日々繰り返していたとする関係者の証言もあるという。
ちなみに渡部容疑者は1998年4月に弁護士登録し、第一東京弁護士会に所属。昨年3月に福島県弁護士会へ登録替えしていたが、昨年10月に弁護士登録を抹消していた。