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Mocosuku Woman 5月24日
ご存じですか? 認知症で判断力や理解力などが失われ、意思表示ができなくなると、契約している医療保険や介護保険などの保険金等の請求ができなくなります。
高齢社会では請求時に被保険者の判断能力が不十分で保険金等を請求できないケースが増加していくでしょう。このような事態を回避するための必須アイテムが「指定代理人請求特約」です。
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◆指定代理人請求特約とは?
被保険者の意思能力喪失に備えて、被保険者が受取人になっている保険金等について、家族の方が被保険者に代わって保険金等の請求をすることができる特約です。
これにより、本人が意思表示をできない場合(被保険者が治療上の都合により傷病名または余命の告知を受けていない場合も含む)にもスムーズに指定代理人が保険金・給付金を受け取ることが可能になります。
この特約は中途付加が可能で、保険料は無料です。契約している保険に「指定代理請求特約」がついているかどうかぜひ確認してください。
指定代理請求人の範囲は、一般的に、被保険者の戸籍上の配偶者と被保険者の3親等内の親族です。さらに被保険者と同居または生計を一にするといった要件が課される場合もあります。
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◆指定代理請求特約を利用するときの留意点
・指定代理請求人のメンテナンスをしていますか
生命保険の保険期間は一般的に長期です。そのため、契約時の指定代理請求人が、契約期間中に死亡・離婚したり、同居・生計関係が変化したりして、肝心の請求時に、指定代理請求人の資格を満たさない可能性があります。
したがって、事情の変化に応じて、適宜、指定代理請求人の見直しをしましょう。
・指定代理請求人になったことを必ず伝える
生保会社の場合、代理人を指定する際に、契約者は被保険者の同意を得る必要がありますが、代理人の同意は必要ではありません。
したがって、せっかく指定代理請求人を指定しても、指定代理人請求人がその事実を知らなければ、被保険者が保険金等を請求できない事情が生じた場合に、指定代理請求人も保険金等を請求することができません。
指定代理請求人を指定・変更した場合には、必ず、代理請求できることや保険金等の内容について伝えておきましょう。
・指定代理人が保険金等を請求するときには慎重に
保険会社は指定代理請求人からの請求に基づいて保険金等を支払った場合、そのことを被保険者に連絡することはありません。
被保険者が知らない状況で、保険金等が支払われますので、保障内容(保険金額、保険料)が変わったり契約が消滅したりすることがあります。
保険金等が支払われた後に、契約者(被保険者)が保険会社に問い合わせることがあった場合、保険会社は回答せざるを得ないので、被保険者に余命やがんであることなどを伏せていたとしても、分かってしまうケースがあります。
◆指定代理請求人として、指定できる人が全くいない場合は
家族がいない、親戚ともほとんど交流がない、といった高齢のおひとりさまが急増しています。いずれ、誰にでもこのような時がおとずれます。
このような事態に備えて、任意後見制度の利用を検討しましょう。将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公正証書で結んでおけば安心です。
なお、保険金等の請求時に、任意後見人や成年後見人などの法定代理人がいる場合は、法定代理人の請求が優先され、指定代理請求による請求はできません。