ニュース・お知らせ

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DATE
2015/06/04

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成年後見活動の中で、意義を実感する時

後見センターとして、地元地域包括支援センターから依頼を受けて、顧問弁護士を通じて家系図を作るために戸籍謄本などの取り寄せをする。
今回の事例は、最初に申立人を探すことから始まった。
いよいよになったら、最後には市長申し立ての申請を念頭に置いた活動でした。
60年近く前に生き別れしたお子さんに現況を伝えることを躊躇するほど余裕がなく、事務的に手紙で申し立てのお願いをした。
行き違いなどがあったが、面談の機会を得た。
距離にして後見センターのあるこの守口市から90キロ近くの遠方だったが、ようやく面会が出来た。
電話でも好意的だったが、面会しても同じ姿勢だった。
つまり、後見申立て人は勿論、後見人になることも辞さない言葉だった。
それよりも、記憶にないほど幼少の頃に生き別れして、
「死んだと聞かされていました。」
と、言って
「お母さんに会わせて頂けますか。」
との、言葉に感激した。
この親子の情の希薄な時代に、全く記憶が無くても親子の情は生きていた。
既にお孫さんもいる歳になって、この突然の連絡に
「不審に思って、地域包括支援センターに連絡して確認しました。」
との念を踏んで、現実となった生きて会える時を得ることになり、その胸中に去来する思いは一体何なのだろうかと思ってしまった。
これから具体的な申し立ての準備に入るが、少し間をおいて感激の時を確保することにした。
制度だけではない目に見えない私どもの機微、被後見人だけではない関わる親族にも成年後見人としての「特定非営利活動法人ゆうかり」の心を伝えたい。
機械的な成年後見活動の中で後世に私どもの思いをどう継承して伝えて行くか。