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朝日新聞2月16日
認知症になった人の7割が、友人らと会うのをやめたり、回数を減らしたりしている――。認知症の人がどのような生活の困難を抱えているのか、本人に尋ねたアンケートの結果が15日、公表された。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(東京都港区)が民間シンクタンクなどと協力して実施。家族会など22の機関・団体を通じて呼びかけ、昨年10~12月に20~90代の計292人から回答を得た。うち38人は本人が自ら答え、残りは大半が家族やケアマネジャーらが本人に聞き取った内容という。
認知症になる前の生活と比べた変化では、「友人・知人と会う」について、「やめた」が31・5%、「回数や頻度が減った」が37・7%。同じく「買い物に行く」についても67・8%が「やめた」か「回数や頻度が減った」と答えるなど、人との交流や外出をためらう傾向がみられた。
友人らとの交流の妨げになっていることを聞く質問(複数回答)では、「約束や会う時間や場所などを忘れてしまう」が44・2%で最も多く、「電話や携帯、メールなどの通信機器を使うことが難しい」も43・5%でほぼ並んだ。「友人・知人とうまくコミュニケーションをとる自信がない」も28・8%いた。外出時の困難は「駅構内で迷ったり、適切なバス停を探したりすることが難しい」が50・7%で多かった。
あったらいい支援を選んでもらう質問では、商品選びや支払いを手伝ってくれる「買い物サポーター」や、認知症の人も安心して利用できるお店の紹介などの支援を選んだ人が多かった。
これらの結果は15日に都内で開かれた「認知症の人にやさしいまちづくりフォーラム」で発表された。同センター客員研究員の徳田雄人さんは「生活者目線で認知症の人の思いを聞こうとした試み。企業や自治体などの取り組みの手がかりにしてほしい」と話す。(畑山敦子)