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2015/02/02

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遺産4000万円を弁護士が着服

神奈川新町 1月31日

横浜弁護士会は30日、会員の楠元和貴弁護士(43)が依頼人のために預かった現金計約4千万円を返金せずに着服した、と発表した。依頼人と弁護士会は、懲戒処分のための調査を弁護士会綱紀委員会に請求。弁護士会はさらに業務上横領容疑で告発も検討している。

預かり金の着服が発覚したのは、藤沢市の男性と、大和市の男性からそれぞれ依頼を受けた遺産相続に関わる事件。

同弁護士会によると、藤沢市の男性は2013年、親族間での遺産分割を依頼。昨年6月に分割協議を成立させ、相手方から約2650万円を男性のために預かりながら、約150万円しか男性に返金していなかった。

大和市の男性ら3人は09年、親族間での遺産分割を求めて楠元弁護士に依頼。相手方の親族から3人に計約1650万円が渡ることになったが、13年6月に同弁護士が預かった後、返金していなかった。

藤沢市の男性が昨年9月に弁護士会の窓口に苦情を申し出て発覚。今月6日には大和市の男性も被害を訴えたことから、弁護士会が対応に乗り出した。

楠元弁護士は弁護士会の調査に対し、事実関係を認めた上で、「必ず金は返す」と釈明。着服した理由については「別の依頼者とのトラブルで金を返さなければいけなかった」などと話したというが、入院しているため十分な聞き取りができておらず、私的流用の疑いもあるとしている。

楠元弁護士は2000年に弁護士登録。横浜弁護士会には05年に入会した。

小野毅会長は記者会見で、「重大な問題が起きてしまい残念」と謝罪。被害拡大防止のため、懲戒処分前に公表したと説明した。

同弁護士会は、2月2日から同6日まで、楠元弁護士の被害情報に関する臨時電話を開設する。連絡先は電話045(664)4166=午前10時~午後4時。