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2014年10月08日河北新報
登米市民病院(登米市迫町)で手術中に不適切な麻酔をされ、重い意識障害を負ったとして、同市の主婦(73)が7日までに、業務上過失致傷の疑いで、男性麻酔科医=石巻市=を宮城県警佐沼署に告訴し、同署が受理した。病院は調査委員会を設置して麻酔科医のミスが原因と判断したが、公表していない。
告訴状によると、麻酔科医は2013年6月20日、自宅玄関先で転んで右手首を骨折した主婦の骨を固定する手術を担当。人工呼吸器(麻酔器)の操作を誤った上に気管挿管に失敗し、主婦を低酸素脳症に陥らせた業務上過失致傷の疑いがあるとしている。
病院は手術の3週間後に調査委を設け、ことし2月に報告書をまとめた。(1)麻酔科医が麻酔器の始業点検で外した部品を戻し忘れ、酸素が漏れた状態で麻酔薬を投与した(2)酸素を送るチューブを食道に挿入した-の二つの過失が原因だったと結論付けたが、これまで明らかにしていない。
病院側は「医療事故の公表基準がなく、主婦の家族の心情に配慮して公表を控えた。麻酔科医が告訴されたことについては事実関係を把握しておらず、コメントできない」と説明している。
主婦は低酸素脳症により自力での移動や食事、会話などができず、現在も入院している。成年後見人に選任された弁護士が告訴状を提出した。
麻酔科医は東北大病院(仙台市青葉区)からの派遣で、非常勤だった。