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入所している被保佐人の自宅から、発見された大正時代に売買契約が交わされたような達筆な書類が見つかった。
末尾に司法書士の氏名が署名されれあり朱肉の押印がなされている。
交わした二人の人物の氏名とともに契約年に大正15年○月○日と書いてある。
一部は読めるが、重要な部分で全く理解できない崩した文字で書いてある書面。
和紙に墨で書いてあり、紙を依ったとじ紐で綴じてある。
ところどころ、土地とか瓦葺などの文字が理解できる。
加えて、田、山林などの文字も分かる。
きっちりした住所などが読めない。
分からないまま、放置していたが家庭裁判所にはそのような内容を文書で提出していた。
数ヵ月後の先日、家庭裁判所から電話があり謄本が欲しいという。
そうは言っても、住所が読めなければ謄本など取れないし、登記確認も住所や名前が分からないと申請書も書けない。
解読してもらわないと、登記所の窓口では解読してくれないだろう。
また、他人に頼めば当然金銭の支払いが生じてくる。
金銭的に厳しい生活で、仮に登記してあったとしても財産的な評価をしてもらうにしても金銭がかかる。
ちょうど入院中で、希望しない個室に入れられて毎日5500円程度の差額ベット代が掛かる。
困った挙句、当事業所の登録ヘルパーさんで書道の教師に解読してもらうのに大東本社に待ち合わせて夕方行った。
1時間の悪戦苦闘の末に、住所は何とか解読できたのでそれから紐解いて行こうと思う。
やはり、現代の本来の漢字を略字にしたものを草書体で書いたものではなく、旧字を略して草書体で書いたものとか、書いた本人が定形的に略したのではなく、独自の略字だと解読が難しいとのことだった。
その過程で、自分は何もできないが、古文書を紐解くようで私の性格にこの業務は合っていると思った。
人生の歴史を紐解けるのだから。