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2020/11/15

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行政手続きの認め印全廃 婚姻届や車検 実印は継続

日本経済新聞 2020/11/13

 河野太郎規制改革相は13日の閣議後の記者会見で、行政手続きで必要な認め印を全廃すると発表した。民間から行政機関への申請などで押印が必要なおよそ1万5000の手続きのうち、実印など83をのぞいて押印を廃止する。法改正が必要なものは来年の通常国会に一括法案を提出する。

内閣府は9月、河野氏の指示を受け、全府省に行政手続きで求める押印の原則廃止を要請した。

この結果、現在押印が必要な1万4992の手続きのうち、5198は廃止済みか廃止を決定、9711は廃止の方向で検討することとなった。

認め印は全て撤廃し、印鑑登録をした実印などを求めている83の行政手続きで押印が残る。全体の99%超の押印がなくなる。

例えば、住民票の写しの交付請求や婚姻・離婚届、給与所得者の扶養控除(年末調整)や自動車の継続検査(車検)などの手続きで押印が不要になる。一方、会社設立などの商業・法人登記や不動産登記の申請、自動車の登録などの手続きは引き続き押印が必要だ。

河野氏は13日午前の記者会見で「個人の確認にならない認め印を続けていた。その合理化はしっかりやれた」と語った。「これで民から官への行政手続きは一段落した。一括法を(来年の)通常国会に出す準備をしたい」とも説明した。

押印を求める根拠となる政省令などは年内にも順次改正する。法律に根拠があるものは来年の通常国会に一括法案を提出し、成立をめざす。

菅義偉政権は行政のデジタル化を推進する。(1)押印廃止(2)書面・対面の撤廃(3)常駐・専任義務の廃止(4)支払いのデジタル化――を進めていく方針だ。河野氏は政権発足から2カ月弱で押印廃止にメドをつけた。

押印の原則廃止を受け、今後は書面・対面の撤廃などを加速する。河野氏は13日午前の記者会見で「書類にハンコを押す行為がなくなれば、その手続きは書面でなくオンラインでできるようになる」と指摘した。

「少なくとも認め印を廃止したものは書面・対面の必要はない。いよいよ本丸の手続きをオンラインに移すことに取り組む」とも強調した。

内閣府は10月、全府省に行政手続きのオンライン化を要請した。オンライン化できない手続きがあれば、11月下旬までに理由の提示を求める。行政機関の窓口での負担を減らし、住民サービスの向上につなげる。